杏仁豆腐?のような甘いリキュール、アマレットの楽しみ方
鋼の錬金術士とミュシャとアマレットと…
イタリア特産でありアンズの核のお酒のアマレットは、アーモンドやココナッツをしのばせるような特徴のこはく色のリキュール。
主な原料はアーモンドではなく、アンズの種子の“杏仁”と呼ばれる核の部分で、中華のデザートでおなじみの杏仁豆腐と同じ原料で、その香りも近いものがあります。 アマレットという名前の銘柄は何種類もありますが、中でもその元祖とも言える有名なディサローノ・アマレットを今回、ご紹介したいと思います。
アマレットの起源、由来となる一つの伝説
アマレットの名前の由来となったのは、1525年、イタリア、ミラノ市の北部にあるサローノ村のサンタ・マリア・デレ・グラツィエ聖堂でキリスト誕生のフレスコ壁画を書くためにベルナルディーノ・ルイーニという画家は町の民宿に泊まりながら聖堂に通ってその壁画を描いていました。 そこの宿泊していた民宿には若く美しい女主人が経営しており、ベルナルディーノはその美しさにひかれ、彼女をモデルに壁画に描く聖母マリアの顔を描き、また彼女にも肖像画を描いて贈りました。
そこからいつしか、二人には愛する気持ちが芽生え、彼女は贈り物のお返しとして作られた甘い香りのお酒(リキュール)があり、19世紀頃にそのお酒が復元され、それが現在のアマレットの始まりだといいます。
その後このアマレットという名で類似品が発売されるようになり、混同を避けるため、1992年"ディサローノ・アマレット"(サローノ村のアマレット)という名前を付けて今にいたります。
アマレットの製法、味わい風味とは?
アマレットは、アンズの核「仁」を主な原料に、「仁」の蒸留液に10種類以上のハーブや果実を抽出します。
その後、アルコールを配合、熟成させて作ったもので、甘さの中にもややほろ苦さが感じられますが、杏仁豆腐の甘い芳醇な香りとアーモンドに似た香りに上品な甘さが合わさった存在感のあるリキュールです。
甘く、口当たりも良く飲みやすいアマレットのアルコール度数は28度と他のリキュールよりもやや高めなので割り方や飲み方は自分に合ったものを選びましょう。
オススメの楽しみ方
牛乳で割るとまるで飲む杏仁豆腐になるこのアマレットは実はサッパリと柑橘系やジンジャーエールやソーダも相性は抜群。
また意外にもウーロン茶で割ればアイスティーの様な飲みやすさになります。
好きな方ならウィスキー(カクテル名:ゴッドファーザー)やブランデー(カクテル名:フレンチコネクション)と割ったり、そのままロックでもおすすめです。
まとめ…の前に余談です。
そもそもリキュールのはじまりとは?
定義は簡単に説明するとベースとなるお酒に香草や果実などの香味成分と着色料で作られたものとなります。 実はこのリキュール、そもそもは中世、錬金術師(科学的方法を用いて物質を更にそれを完全な物に変えようと試みた人達の事)達が偶然にも蒸留酒作りの方法を発見したのがはじまりで後にその技法は修道院の修道士達に引き継がれあくまで薬として存在していました。
その後は修道院に関わりのある者でしか飲まれなかったものが徐々に王室、そして民衆へと広がりその味や香りも薬草や香草に加え果実や種子などの甘味類もその原料に、そして技術の向上と共に今の様なカクテルなどに使われる馴染みやすいものと変化と進化しました。
そしてその向上と進化は今も続いています。
画家ミュシャとリキュール
ミュシャという有名な画家をご存知でしょうか?
アルフォンス・マリア・ミュシャは 19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に開花した新しい芸術を代表するチェコのグラフィックデザインナーです。
多くのポスター、装飾パネル、カレンダー等を制作したミュシャの作品は女性の姿を華麗な曲線を多用したデザインが特徴で実はその中でその新しい芸術の技法を用いてリキュールを優美に描き優れたポスター芸術の先駆者となったのがミュシャでした。
改めてまとめ
カクテル以外にお菓子作りにも重宝されるこのアマレットは非常に上品なお酒で世界中で愛されているリキュールの一つ。そんなアマレットを色々な形で楽しむというご紹介でした。
リキュールのはじまりは錬金術師でした。
そのポスターの先駆者となった画家、アルフォンス・マリア・ミュシャ。
そして映画化もされた漫画原作の鋼の錬金術師の主人公エルリック兄弟の 弟の名前はアルフォンス・エルリック。
たまたまですかね…(笑)
ではまた
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。